世界一イノベーションが起きにくい業界 No.1《不動産業界のイノベーション》

世界一イノベーションが起きにくい業界 No.1《不動産業界のイノベーション》

最近になって不動産業界でいまだかつてない革新的なビジネスを立ち上げる企業が続出しています。ここでは、そのうち2例を紹介します。


安定的な賃料収入(インカムゲイン)を期待できることから、古くから投資対象として、あるいは事業の柱の1つとして注目されてきた不動産。
ただ、所有する土地にオフィスビルやマンションを建てたり、中古物件を買ったりというケースがもっぱらで、イノベーションと表現できるような取り組みはなかなか見られなかったのも事実でしょう。
だが、最近になって不動産業界でいまだかつてない革新的なビジネスを立ち上げる企業が続出しています。ここでは、そのうち2例を紹介します。

アイデア次第でカプセルホテルもラグジュアリーに

カプセルホテルと聞くと、どのようなイメージを抱くでしょう。多くの人が「安かろう悪かろう」と思い描くのではないでしょうか。そんな固定概念を大きく覆したのが株式会社ファーストキャビン。

同社は、飛行機のファーストクラスをイメージしたというニュータイプのコンパクトホテル「ファーストキャビン」を東京、大阪、京都、九州で展開しています。カプセルホテル並の料金であるにも関わらず、飛行機のファーストクラスや空港のメンバーズラウンジのようなワンランク上の空間を提供しています。

各キャビンは鍵がかからない代わりに、セーフティーボックスが備え付けられています。
洗面室、トイレ、大浴場、シャワーブースは全て共用。各キャビンはカーテンで仕切られており、テレビもヘッドホンで観ることができる。本当に国際線のなかで休んでいるような錯覚が生まれます。

時間単位の利用ができるので、宿泊のみならず、仮眠や休息としても活用できる。Wi-Fiも使い放題だ。不思議なもので、カプセルホテルに泊まるとなると少し身構えてしまうが、国際線のファーストクラスのような場所で横になるのであれば、少しリッチな気分にすらなります。

図らずも、高速バスのシートにおいても、飛行機のファーストクラスを模したようなゴージャスでプライバシーが確保されたスタイルのものが出てきています。こうしたニーズはカプセルホテルの利用者たちの間に潜在していても不思議はなく、ファーストキャビンはそれを機敏に察知しました。

高く評価されるオンリーワンのアイデア

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奇しくも不動産業界にとって強烈な逆風となったリーマン・ショックが発生した2008年に設立された軒先株式会社は「もったいないスペースをシェア(有効活用)して収益化する」ことがコンセプトで、ユニークなビジネスを手掛けています。

従来、もったいないスペースの有効活用というと、ある程度の大きさがある遊休地に駐車場やマンション、アパートを建設したり、住居の一部を賃貸に回すという方法が一般的でした。

しかし、同社が指す「もったいないスペース」とは、一般住宅の使っていない駐車ガレージや、店舗前のほんの少しの空間です。

1日から店を出せるスペースの検索・予約サイト「軒先ビジネス」や、シェア型の駐車場予約サービス「軒先パーキング」などを運営しており、上記のような「もったいないスペース」を無料で登録することができます。

そのスペースを借りたい人から利用料をもらい、同社とスペースのオーナーで分け合うのが基本的なビジネスモデルです。

例えば、あなたが野球場のすぐ近くの一軒家に住んでいて、今は車を保有しておらず、駐車ガレージが空いているとします。野球場でプロ野球の試合や、有名アーティストのライブがある日は、多くの来場者が予想されます。
なかには遠方から車で来る人もいるでしょう。

しかし、近隣のコインパーキングのキャパシティだけでは、駐車需要を受け止めきれない可能性が高いのです。

そこで、あなたの駐車ガレージを「軒先パーキング」に登録しておけば、借りたい人がお金を払って利用してくれる。自宅の空きガレージが、収益を生む資産になるというわけです。

軒先程度のわずかな空間を活用するという、オンリーワンのアイデアが高く評価されています。

世の中のニーズを適切に読み取り、アプローチする力

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不動産ビジネスというカテゴリによって1つに束ねられるものの、ここで紹介した企業の取り組みはそれぞれ全く異なることです。

ただし、世の中のニーズを適切に読み取り、それに沿って不動産の有効活用を図るというアプローチは共通しています。

とにかく土地の上に建物を造っておけば、放っておいても賃料が入ってくるという安直な発想が蔓延しがちですが、それではその他大勢と大差がなく、空室の長期化などといった想定外の事態にも見舞われかねません。

不動産は堅実な事業となりうる一方で、多額の費用を必要とするだけに、アテが外れた場合に大きな痛手となりかねません。

だからこそ、着実に成功を収めるためには自分なりのイノベーティブな発想と投資が求められてくるのです。

周囲より一歩抜きん出るために

今までにない発想でイノベーションを生み出した2社は価格競争に陥ることなく、独自の価格帯で勝負することができています。

当然、顧客に選ばれるようになり、業績もあがります。

これは企業内で新たな業態への研究の開発投資を着実にしていった結果です。

開発にあたっては当然壁や試練があったでしょうが、可能性を信じ続け、投資をした先にイノベーションの成功があるのです。

企業は企業内投資により価値が上がるのと同じように、ビジネスパーソンも自分自身に投資をすることがレッドオーシャンから抜け出し、社会から必要とされる人材になる第一歩です。

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